薬機法に基づく立入検査

サイバーセキュリティ対策チェックリストの書き方と点検時期

令和8年度版のチェックリストは、立入検査で確認されます。令和8年度中にすべて「はい」にし、台帳・連絡体制図・BCP・規程類は現物を用意します。

何を
「医療機関・薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」の各項目に、確認日と「はい」「いいえ」を記入します。「いいえ」の項目には、令和8年度中の目標日を書きます。

いつまで
令和8年度中にすべての項目で「はい」にすることが求められています。点検は、少なくとも年に1回、チェックリストを使って行います。

どこで確認される
薬機法に基づく立入検査です。台帳(2-①)、連絡体制図(3-①)、BCP(3-③)、規程類(4-①)は現物を確認すると、マニュアルに書かれています。

令和8年度版で変わったこと

令和7年度までは、医療機関用と薬局用のチェックリストが別々に出されていました。令和8年度版からは項目が共通であることを踏まえて統合され、1本の「医療機関・薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」になっています。

あわせて、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版」の策定を受けて、一部の項目が見直されました。令和8年6月29日付けの厚生労働省の通知(医政参発0629第1号・医薬総発0629第1号)で示されています。

薬局専用版を探しても見つかりません。
令和8年度版は医療機関と薬局の共通版です。令和7年度版の薬局用を手元で使っている場合は、令和8年度版に差し替えてください。

立入検査で何を見られるか

マニュアルには、薬機法に基づく立入検査では、薬局でサイバーセキュリティ確保のために必要な取組を行っているかを確認すると書かれています。チェックリストの全項目に、確認日と回答が記入されているかを見る流れです。

そのうち現物を確認するのは、次の4つです。ほかの項目は、記入されているかどうかの確認が中心です。

項目現物として用意するもの
2-①サーバ、端末、ネットワーク機器の台帳
3-①インシデント発生時の連絡体制図(組織内と、事業者・厚生労働省・警察などの外部関係機関)
3-③サイバー攻撃の想定を含む事業継続計画(BCP)
4-①1から3のすべての項目の実施方法を定めた運用管理規程等

2-⑬のアクセスログについては、立入検査の際に直接確認する可能性があると、マニュアルに書かれています。ログを残すだけでなく、アクセス制限をかけて、削除や改ざんを防ぐ対策もあわせて求められています。

記入のしかたと点検の頻度

各項目の実施状況を確認し、「はい」または「いいえ」にマルをつけ、確認した日付を書きます。「いいえ」の場合は、対策を実施する令和8年度中の目標日を記入してください。

紙でも電子データでも、使いやすい方で構いません。点検は、日頃の確認に加えて、少なくとも年に1回はチェックリストを使って行うことになっています。

保守や運用の契約をしている事業者がいる場合は、事業者ごとに「事業者確認用」を送って、回収します。事業者と契約していない場合は、2-②(リモートメンテナンスの確認)と2-③(MDS/SDSの提出)は確認を求められません。ただし、その場合は保守管理の責任を薬局側が負うことになります。

項目の一覧と、用意しておくもの

チェックリストは、体制構築、システムの管理・運用、インシデントに備えた対応、規程類の整備の4つに分かれています。項目の要点は次のとおりです。

番号要点確認のされ方
1-①医療情報システム安全管理責任者を設置している記入の確認
2-①サーバ、端末、ネットワーク機器の台帳管理を行っている台帳を現物確認
2-②リモートメンテナンスを利用している機器の有無を事業者に確認した記入の確認
2-③事業者から医療情報セキュリティ開示書(MDS/SDS)を提出してもらう記入の確認
2-④職種・担当業務別、情報区分ごとのアクセス権限を設定し、管理者権限の対象者を明確にしている記入の確認
2-⑤退職者や使っていないアカウントを削除または無効化している記入の確認
2-⑥セキュリティパッチ(最新のファームウェアや更新プログラム)を適用している記入の確認
2-⑦パスワードは英数字混在の8桁以上。二要素認証を採用するまでは13桁以上記入の確認
2-⑧パスワードの使い回しを禁止している記入の確認
2-⑨USBストレージなどの外部記録媒体や情報機器への接続を制限している記入の確認
2-⑩バックグラウンドで動く不要なソフトウェアとサービスを停止している記入の確認
2-⑪端末で、アプリケーションログイン時の二要素認証を実装している。または令和9年度以降の初回のシステム更改時に実装予定である記入の確認
2-⑫サーバで、OSログイン時の二要素認証を実装している。または令和9年度以降の初回のシステム更改時に実装予定である記入の確認
2-⑬アクセスログを管理しているログを直接確認する可能性あり
2-⑭ネットワーク機器の接続元制限を実施している記入の確認
3-①インシデント発生時の連絡体制図がある連絡体制図を現物確認
3-②診療を継続するために必要な情報を検討し、バックアップを確保して、復旧手順を確認している記入の確認
3-③サイバー攻撃の想定を含む事業継続計画(BCP)を策定しているBCPを現物確認
4-①1から3のすべての項目について、具体的な実施方法を運用管理規程等に定めている規程類を現物確認

2-④のアクセス権限は、利用者に付与したIDを台帳にまとめておくことが望ましいと、マニュアルに書かれています。台帳の項目としては、所属部署、氏名、ユーザID、権限などが例に挙がっています。

年度が変わったときの扱い

チェックリストは令和7年度版、令和8年度版と、年度ごとの版が通知で示されています。令和8年度版では項目の見直しや統合もあったため、前の年度の記入済みの用紙をそのまま使い回さないようにします。

次の年度の版が出たときは、厚生労働省の通知で最新の版と提出先、記入方法を確認して、差し替えてから点検します。令和8年度版の記入済みの用紙は、点検の記録として残しておくと、前回との差が分かります。

根拠

立入検査の進め方や、自治体ごとの運用は、所在地の都道府県や保健所で異なる場合があります。実際の検査の前に、最新の通知と自治体の案内を確認してください。

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